中間点は映画の構造上、重要な位置を占めている。「ロミオとジュリエット」の構成に見られるように、古典劇は上昇と下降の動きに分かれる。(Freytagの表を参照せよ)
話の冒頭で、ロミオとジュリエットが両家の間の対立にも関わらず、幸福に向かって上昇していく。しかし、根深い憎しみに対して、愛し合う二人に何ができるというのか。(参照、起点)ロミオはジュリエットへの愛と家の義務との間で板挟みとなる。話の中間点において、ロミオは友人の敵をとって、決闘でジュリエットのいとこタイバルトを殺してしまう。その裁きとしてロミオは国外に追放される。タイバルトの死後、アクションは愛し合う二人の死に向かって下降を始める。悲劇の下降アクションにおいて、状況は加速度的に悪化していく。この中で、ロミオは、ジュリエットが死んだという誤報を受け取り、この誤報に基づいて「正しく」行動するのである。
ハリウッド映画の「中間点が転換点」という構成は、この古典劇の構成を受けるものである。例えば『羊たちの沈黙』には、中間点における転換が明示されている。『クライング・ゲーム』には、この中間点が典型的に見られるし、『トレインスポッティング』ではちょうど中間点で主人公マーク・レントンがヘロインを過剰に注射して病院に運ばれ、後半部の、レントンの自宅における長い麻薬治療の始まりとなる。
(参照)中心部、構造
Neil
Jordan: The Crying Game (1992). [us.imdb.com/Title?0104036]
Jonathan
Demme: The Silence of the lambs (1991). [us.imdb.com/Title?0102926]
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